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もしもBASARAキャラが現代へとやって来たら【佐助編】


ザザザッ

夕暮れの山中を一羽の忍が駆けていた
夕陽に映える髪を空に溶かしながら木々を駆け抜けていく

「んー、何とか夜までには武田に戻れるかな」

迷彩服に身を包む、名を猿飛佐助
任務を終え、急ぎ戻る最中だ。
どれくらい経っただろうか。辺りは既に闇に包まれていた。

走るスピードは落としていない、帰路もこの俺様が間違えるなんてあり得ない。
違和感を感じ、木の頂へ移動し足を止めた。
もう武田に到着してもいいはずだ。
…何か、おかしい。
余り嗅ぎなれない臭いがする。
辺りを見回し、目を疑った。
これは何だ、敵の罠、幻術か?
佐助の目の前に広がるのは、見たこともない鉄の建物。
まるで昼間かと思うくらいの明るさ。
馬以上の早さで動く鉄の塊。
ほんの一瞬気を削がれたが、すぐにその場を離れ木々の中へ身を隠した。
スッと冷たい汗が背を流れる。
誰だ、誰が謀った。
…何処にいる。
警戒しつつ辺りを見回せば暗い夜道を一人の女が歩いていた。
…こんな夜更けに女が一人って、怪しすぎでしょ。
スッと音もなく、佐助はその場から姿を消した。

「…疲れたぁ〜。まさかこんなに遅くなるなんて…」
凛は仕事を終え、家路を急いでいた。
まさかの残業になり時刻は10時を過ぎている。
ヒールを履いて歩く足はパンパン。
でも今日は金曜日なので憂鬱さも少しは軽減する。
疲れた体を引き摺るように階段を上がり玄関のドアを開けた。

気配を殺して、佐助は女をつけていた。
少し、様子をみてみるか。
しかし見たこともない格好だなー、歳は俺様と変わらないくらいかな。
…隙だらけ、やっぱ殺しちゃおうかなぁ。
女の後をついていくと、建物の中へと入っていった。
此処が本拠地?
相変わらず気配を消したまま、女の家へと侵入し屋根裏へと移動する。

「はー疲れたぁ…」
…家に入ると女は見慣れない四角の箱から液体の入った透明な入れ物を取りだし口にした。
ちらりと箱の中を覗くと、どうやら食材が入っているようだ。
女が別の部屋へ移動した隙に、俺様はその部屋へそっと降りた。
人の気配はないね、にしても…何だか見たことのない奇っ怪な物ばかりだね、松永の手引き、とか?
顎に手を当て考え込みながら先ほど女が開けていた四角い箱を開けてみる。
中から冷気が漂ってきた。
やっぱこれ食品庫かな、めちゃめちゃ便利じゃん。これ武田にも一個持って帰れないかなー。
何て呑気なことを考えながら女が先程口にしていた液体を手に取り蓋を開けてみる。
スンスン。
うん、毒は入ってないね。
ゴクン。
…水、だね。
蓋をしめて、もとの通りに直し扉を閉めた。
女が戻ってくる気配を感じ、一瞬で屋根裏へと戻る。
女は先程の黒い服から、桃色の服に着替えていた。
しっかしまぁ、何とも軽装だねぇ。
あんなに足だしちゃって…旦那が見たら何て言うか…。
女は部屋に入ると先程の食品庫の隣にある棚の一番下を開け、中から手のひら程の箱を取り出した。
女はその箱を包む透明な包みを剥がし、薄い紙のような物を捲った。
棚の上にある何かに箱を置くと、水の流れる音が暫く聞こえ、止まった。
再び食品庫を開け中から銀色の物を取り出すと、部屋の真ん中にある真っ赤な椅子へ腰かけた。
しばらくすると部屋にとてもいい香りが漂った。
夕餉かな?見たことない食べ物だけど…
プシュッと言う音がした。
女が銀色の物の上を押したようだ。
ゴクッ、ゴクッ…

「ッッ!ぷはぁ、生き返る〜」
…あれ?何か俺様、目の前におじさんが見えるんだけと…
胡座かいてズルズル飯食ってるおっさんが見えるよ?
…いやいや、どんだけ気抜いてんの?!どんな教育受けてきたの?!
そりゃあ俺様優秀な忍だし?気配完全に消してるとはいっても、油断し過ぎでしょうが!!
女は目の前にある机に置かれた細長い物を手に取る。
次の瞬間、思わず目を見開いた。
目の前にある黒い額の中に、突然絵が現れ動き出したのだ。
やっぱりこいつ、幻術使いか?!
警戒しクナイに手をかける。
しかし特に何も起きることはなく、時間だけが過ぎていく。
ふと、女は立ち上がると夕餉を片付けて動く絵を消し、部屋を出ていった。
再び部屋に降り、今度は女の後をつけた。
幻術を見せられたことにより、先程よりも警戒心を強める。
ある部屋に入ったので、暫く外から様子をうかがっていると水が流れる音がした。
これは…湯浴みかな?
この隙に全ての部屋を調べてみたが、人の気配はなく、怪しい武器も見当たらなかった。一応脱衣場で女の着物も調べたが、やはり武器のようなものは見当たらない。
一通り調べ終わり屋根裏に身を潜めていると湯浴みを終えた女が恐らく寝床と思われる部屋へ入っていった。
…寝た、かな。
そっと女に近づき口元に手を添える。
規則正しい呼吸器、胸部の上下、殺気や警戒心は…端からなかったか。
どうやら完全に眠ったようだ。
何だか俺様拍子抜け。
この女、血の臭いがしないんだもの。
しかも全く危機感のない様子…そりゃあもう、異常なほどに。
取りあえず最初の部屋に戻っていろんなものを漁ってみるか・・・
これら暫く、この家にお世話になるとしますかね。
俺様優秀な忍びだから、ね。
ここであんたのこと観察させてもらうよ。


頭の悪そうなアンタが気付くまで。


ずっと―――・・・







ストーカーです。佐助はきっとストーカーです(ォィ)そんなストーカーでも佐助なら本望(ェ)

ダークになりましたが、長々とお付き合いありがとうございました!!







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